・お得な受け取り方ってあるの?
節税効果が期待できる個人年金iDeCo(イデコ)を始める人が増えてきています。
iDeCoでは積み立てた金額が全額控除になることは知られていますが、
受け取り時に税金がかかることはご存知ですか?
受け取るのはまだまだ先の話なのであまり関心がないかもしれませんが
iDeCoは受け取り方によってかかる税金の額が変わってきます。
つまりあなたの手元に残る金額が変わってくるので受け取り方は何気に重要です。
記事の内容
・iDeCoの3種類の受け取り方と税金の計算方法
・タイプ別iDeCoのお得な受け取り方
iDeCoの詳細はこちら
目次
iDeCoの受け取り方
受け取り方法は3種類あります。
一時金
積み立てたお金を全額一括で受け取る方法です
年金
一定の金額を定期的に受け取る方法です
一時金と年金を併用
一部を一括で受け取り、残りを年金のように受け取る方法です
年金の受け取りは原則として60歳からです。
年金として受け取る場合は5年以上、20年以下の年単位で指定でき、
受け取り回数も選べます。
受け取り回数 | 受け取り月 |
年1回 | 12月 |
年2回 | 6月、12月 |
年4回 | 3月、6月、9月、12月 |
年6回 | 2月、4月、6月、8月、10月、12月 |
※証券会社・金融機関によっては毎月受け取れるところもあります。
※年金の支給日は支払月の20日
iDeCoを受け取るときにかかる税金
iDeCoで積み立てた年金を受け取る時には税金がかかります。
でも非課税の枠もあるのでうまく受け取れば税金を払わなくても済むんだよ
一時金で受け取る時の税金
一時金として受け取る場合は、受け取った金額が「退職所得」として扱われます。
退職所得の税金の計算方法
退職所得は計算式で計算します。
①退職所得 =(②収入金額 − ③退職所得 控除額)× 1/2
①収入金額は一時金として受け取る金額
②退職所得 控除額は拠出期間、つまりiDeCoの加入期間
③退職所得 控除額の計算方法
加入期間 | 退職所得 控除額 |
20年以下 | 40万円 × 加入期間 |
20年超 | 800万円 + 70万円 ×(拠出期間-20年) |
【例】
拠出期間15年の場合:15 × 40 = 退職所得 控除額 600万
拠出期間25年の場合:800万 + 70万 × (25年 − 20年) = 退職所得 控除額 1,150万
上記の計算方法で退職所得を算出します。
【例】 iDeCo加入期間が25年、受取額が2,000万円場合
( 収入金額 2,000万円 − 控除額 1,150万 ) × 1/2 = 退職所得 425万
退職所得が425万となり、この金額に所得税と住民税がかかります。
所得税額 = ( 退職所得 × 税率 − 控除額 ) × 1.021( 復興特別 所得税 )
住民税額 = 退職所得 × 10%(一律)
所得税税率と税額表
【例】 退職所得が425万の場合
所得税額 = ( 425万円 × 20% − 427,500円 ) × 1.021 = 431,373円
住民税 = 425万円 × 10% = 425,000円
合計税額 = 856,373円
つまりiDeCo加入期間が25年、受取額が2,000万円場合
2,000万円から税金として856,373円が差し引かれ、
19,143,627円が手元に残ります。
先ほどは所得税の計算例のために
iDeCo加入期間25年、受け取り額2,000万円で計算しましたが
会社員の場合、掛け金の上限23,000円で25年間、利回り5%で運用できても1,300万円ほどです。
この場合、所得税が56,071円、住民税が109,800円となり1,369.6万円から差し引かれるのは1.21%の165,871円となります。
退職金を同じ年に受け取る場合
会社から退職金が支払われる場合、
iDeCoと退職金の両方を受け取ると税金の計算方法が異なります。
勤続年数とiDeCoの加入年数のどちらか長い方が退職所得 控除の計算に使われるので
例えば勤続20年でiDeCo加入年数は10年なら「20年」で計算します。
退職金額とiDeCoの一時金受取額は合算して計算してください。
iDeCoと退職金の受け取り時期が異なる場合
iDeCoを先に受け取る
前年以前4年以内に受け取った他の退職金(iDeCoを含む)を計算した時の勤続年数は除く
退職金を先に受け取る
前年以前14年以内に受け取った他の退職金を計算した時の勤続年数は除く
例えば30歳〜60歳まで会社勤務、iDeCo加入の人が
60歳で退職金、65歳でiDeCoの一時金を受け取る場合、
30年の退職所得 控除(1500万円) は退職金受け取り時に充てられるのでiDeCo受け取り時には退職所得 控除はゼロで計算します。
勤続年数又はiDeCo加入期間が長ければ長いほど控除額が大きくなるので最低額の5,000円でもいいので早く加入することが節税のポイントだね
年金で受け取る時の税金
iDeCoを年金で受け取る場合は雑所得とみなされ、会社員と同じように収入の全額から控除額を差し引き、総合課税により税額が決定されます。
雑所得には国民年金や厚生年金なども含まれますのでiDeCo以外の年金の受け取りがある場合は合算して計算してください。
年金を受け取る際の控除額
65歳未満 | 108万円(基礎控除38万円+公的年金等控除額 70万円) |
65歳以上 | 158万円(基礎控除38万円+公的年金等控除額120万円) |
つまり65歳未満であれば108万円までの受け取りなら非課税
65歳以上であれば158万までの受け取りなら非課税ということになります。
また年金以外に家賃収入や権利収入などの収入がある場合、年金と合算して計算するので注意が必要です。
つい見落としがちですがiDeCoでは年金受け取りの際、
1回につき440円の手数料がかかります。
仮に最大20年間、毎月年金を受け取るとすると手数料だけで105,600円かかります。
年金で受け取る場合は、国民年金や厚生年金も合わせて考え、生活に支障をきたさない範囲でなるべく少ない回数で受け取った方が賢い選択と言えそうです。
iDeCoのお得な受け取り方
先述したようにiDeCoは受け取り方によって税率、税額が変わってきます。
退職金や年金、その他の収入も見据えてなるべく税金がかからないようにお得に受け取りましょう。
退職金がもらえない人
オススメの受け取り方法:一時金受け取り
退職金制度がない・勤続年数が少ないなどの理由で退職金がもらえないことが確定している方は、一時金受け取りがオススメです。
iDeCo以外に年金が受け取れない人
オススメの受け取り方法:年金受け取り
何かの不都合が重なった結果、公的年金が受け取れなかったり、年金額が少ない方は、iDeCoを年金で受け取りましょう。
年金で受け取る時の非課税枠と目安 単位:万円
非課税枠 上限で年1回受け取りが手数料的にもお得です。
まとまった額の退職金が期待できる人
オススメの受け取り方法:一時金+年金受け取り
まとまった退職金が期待できる人は退職所得の非課税枠ギリギリまで一時金で受け取り、残りを年金で受け取るのがおすすめです。
加入期間(勤続年数) | 非課税枠 |
15年 | 600万円 |
20年 | 800万円 |
25年 | 1,150万円 |
30年 | 1,500万円 |
35年 | 1,850万円 |
40年 | 2,000万円 |
※先ほどの退職所得の計算式と同じです
iDeCoの資金がどれくらいになるのか、退職金がどれくらいになるのか想定して計算してみましょう。
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定年退職時の退職金の相場
学歴 | 企業規模 | |
大企業 | 中小企業 | |
高卒 | 2,489万円 | 1,139万円 |
大卒 | 2,268万円 | 1,083万円 |
引用元:エン転職
公的年金やその他の収入などが期待できる人
オススメの受け取り方法:一時金受け取り
公的年金や家賃収入など、その他の収入が見込める人はイデコも年金で受け取るとその他の収入と合算されて
税率が高くなる可能性があるのでiDeCoはその他の収入の税額と分けられる一時金で受け取り、一括で税金を支払うのがお得です。
iDeCoを受け取る時にかかる税金でもお伝えしましたが、
一時金で受け取る際、重要になってくるのがiDeCoの加入期間(勤続年数)です。
この加入期間の長さが長いほど控除額が増える、つまり非課税枠が広がることになります。
同じ480万の積み立てでも
月1万円 × 12ヶ月 × 40年だと非課税枠は2,000万
月2万円 × 12ヶ月 × 20年だと非課税枠は800万
と1,200万円も差が出ます(運用は考慮していません)
iDeCoのお得な受け取り方は、退職所得 控除と公的年金 控除の枠を目一杯使うことですが
そもそも論として掛け金は最低額の5,000円でいいのでiDeCoに早めに加入して退職所得 控除の額を上げるのもお得に受け取るための方法の1つと言えそうです。
iDeCoにまだ加入してない人はこちらから↓↓
まとめ
✔︎iDeCoは受け取り方で税金が異なる
✔︎一時金受け取り:退職金と同じ課税方法
✔︎年金受け取り:他の年金と同じ課税方法
✔︎一時金と年金を併用して受け取ることもできる
✔︎非課税枠を最大限利用しよう
✔︎退職金の額や、公的年金の額によってお得な受け取りが変わるので一度シュミレーションしてみよう
ちょっとややこしいけど、一度しっかり受取方法による税金額を計算してみてください。
知らないと税金でいっぱいもってかれちゃいますので賢く受け取りましょう。
資産運用と聞くと損する・リスクが高いと言うイメージをお持ちの人も多いかと思います。
確かに資産運用・投資にリスクは付き物ですが物価が上昇しているにも関わらず賃金が上がらないような現代においてはリスクを取らないことがリスクです。
もちろん初心者が闇雲に手を出せば痛い目に遭う可能性が高いですが、リスクを抑えた運用をすれば初心者でも資産を増やすことができます。
こちらの記事では
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